鶏口となるも牛後となるなかれ!
2009年 03月 26日
今まで存在しなかったように思う。
「地場志向」というと聞こえは良いが、言い換えれば「中小志向」である。
世の中は激変してきている。
アメリカの金融バブル崩壊から端を発して、世界の常識が正反対
の非常識に移行しているのが現状である。
その中で、就職、転職を考えている人たちは、今一度広い視野で世界を
見通す必要があるのではないかと私は思う。
不景気ど真ん中にいる今、人々は「安定」を望むだろう。
では、何が「安定」で、何が「不安定」かをいったいどれだけの人が
真剣に考えているのだろう。
現に、大手企業の大半が大型リストラを敢行し、失業者は日に日に増えるばかりだ。
大手企業にいれば「安定」であり、中小企業にいれば「不安定」という、大手にいれば
安泰みたいな高度成長期にあった神話は、とっくの昔に崩壊したのだ。
一方、中小企業で年々売上げを伸ばし、しっかり利益を上げている企業は五万とある。
結局は、その企業の中で有能な人間は「安定」し、使えない人間は「不安定」ということになる。
そのことが分かれば、答えは簡単だ。
大手企業で有能な人間になるのと、中小企業でなるのとでは、どちらが簡単か?
答えは後者である。
私は、海外ドラマの「24」の熱烈なファンである。観られた方も多いと思うが、
CTU(テロ対策ユニット)で働くジャック・バウアーという主人公が、数々のテロに直面し、
24時間以内にテロリストを捕まえるといったドラマなのだが、その「24」には必ずといって
いいほど「理不尽な上司」が出てくる。
テロの現場で勇敢に戦うジャックを、「おまえの行動は危険だ!」(本当にやりすぎ
なところもあるのだが・・・)とか、「本部の指示を待て!」とか言って、自分の身を守り、
邪魔ばかりするのだ。
大手企業の上層部には、こんな人がたくさんいる。
企業自体が巨大化すればするほど、上層部の人達は現場の苦労が分からなくなる。
だから、数字(成績)や中間管理職の意見だけで、経営の方向性や
人事異動を簡単に決めてしまう。
いくら努力しても、世渡りの上手い人間が有能な扱いを受けて、
本当は有能なのに自分は認めてもらえない・・・なんてことが平然と
起こってしまうのである。
その点、中小企業の中でも、そういった成績や中間管理職の意見だけで
判断しない評価システムがきっちりある会社は、努力した分だけ評価してもらえる。
あなたが、“有能”な人間として評価されるチャンスは、中小企業の方が高いかもしれない。
私の好きな諺に、「鶏口となるも牛後となるなかれ」という諺がある。
これは、「大きな組織の末端に居るよりは、小さな組織でもいいから
その長になった方が良い」という意味だが、この諺は先人たちが、
はるか昔に、今私が伝えたい“この考え”が存在したことを証明するものである。
そして、かく言う私が、以前、大手ハウスメーカーに就職し、
理不尽な上司の元で実力を開花できずにいたのに、今は堂々と仕事をし、
日々勉強しながらも充実した日々を送っていることが、何よりの証明に
なるのではないだろうか。